MUKU-DATA  イタヤ細工  made by 民芸イタヤ工房

GW東北の旅で立ち寄った角館は、
樺細工とイタヤ細工をもう一度、見てみたかったから。
6年前に本場の樺細工を目にして桜の樹皮の種類と使い方に感動した。
( 2017 5月 樺細工とイタヤ細工
その際に樺細工だけでなくイタヤ細工というものがあることを知った。
今回、樺細工もイタヤ細工もいづれも実演製作されている職人さんがいて
色々とお話を聞くことができた。

イタヤ細工に使う素材はイタヤカエデの樹齢20年弱の若木を使い
伐採後、木が乾く前に木口に鉈で切れ目を入れて剥がして素材にするようです。
山に素材のイタヤカエデを取ってくる方も80を越えご高齢で
素材採取が大変なようなことを言っていました。

作りたては楓らしく純白なのですが、
使い続けた35年ものを見せていただきましたが
何とも言えない深みのある色に変化していました。
35年って・・もうオレ死んでるねぇ・・ってポツリと呟いたら
大丈夫、今は90、100と寿命は長いからなんて言われたくらいにして・・😓

で、楓と言えば白なんだけど、その編み込む前の素材に色付けしているものもあって
これが初めは軽い感じなんだけど、数年経ち、35年ものになると
すご~く良い色に深化していたのです。
上のザルで3年ほど経過したものとの事。少し色が付いてきていますよね。
黒い色は泥染めをしているらしい。
そこで実演されていた方のお父様が神代木の色が好きで
試しに泥で黒染めしたものを取り入れながら編み始めたらしいです。
泥染めってのが、、いいですよねぇ~

んでもって、本来は若木の丸太から手で引き裂いて素材を作るらしいんだけど
最近は機械でスライサーした素材もあるらしく
均一にスライサーされた素材は編み込む際に弱い部分もあって
上手く編めないから、やっぱり木の繊維に自然にそった手剥がしの
素材の方が丈夫で使っていても味わい深いものになっていくようです。

へぇ~そうなんだぁ・・ へぇ~ って頷く事ばかりでうんうんと納得。

木で作られたものって何がいいかって、
やっぱり使い込んでいくことでその人らしい味わいと深みが刻まれて
どこにもないものへと変化していく事ですよね。

これから35年、、生きれないとは思うけど
次に受け継いでいけるもんね。
自然素材に人の手が加わることで
どうしてこんなにも美しいものとなるのでしょうね。